おれは20代、30代のころは毎日のように酒を飲んでいた。ビールがとにかく好きで自宅でプレミアムモルツを風呂上りに飲むのが最高のひと時だった。だが、30代半ばで、スタンド発動(双極性障害)により今は一切のアルコールを口にしていない。その代わり、うちのカミさんと炭酸水を毎日のように飲んでいる。炭酸水って飽きないし、飲みごたえ十分でtaratta家では重宝されている。ビールは1日にせいぜい2~3缶だったから大して多いほうではないと思う。では、アルコール依存症とはどういったものか少しでも参考になればと思います。

アルコール依存の恐ろしさとは
おれはかつて、3か月ほど精神病院に入院したことがある。精神病院の世間的なイメージだと、ちょっと頭がおかしくなっちゃった人や、急に暴れだすような人を入院なのか収容なのかするイメージであろうか。 おれにとって意外だったのは、おれのような双極性障害を持った患者でなくて、「アルコール依存症」で入院している人はかなり多いという事実だった。
アルコール依存症の人の多くは、自分がその病気だとは思っていなかったようだが、大概の人たちは社会の中でアルコールが原因で問題を起こして入院している人たちだった。人は問題が起きた時に初めて自分がアルコール依存症なんだと認識するのかもしれない。ある人は、アルコールを飲んで交通事故を起こしたり、ある人はアルコールを飲み過ぎて、救急車で病院に運ばれてきたり、アルコールが元で会社を首になったりなど理由は様々だった。
3年前、入院時に出会ったアルコール依存症の数名はもうこの世にいない
アルコールの恐ろしさは、死を招きやすいこと。アルコールによる突然死だ。アルコールを嗜む人たちの多くは?突然死と聞いてもピンと来ないと思うが、依存症の彼ら、彼女らの多くはアルコールを異常な量で飲む人なんだ。おれは入院時患者同士でよく話をした。アルコールをまるで水のように飲み続ける依存症の人たちは前日のアルコールが抜けない状態で翌日またアルコールを摂取する。1杯だけ、もう1杯だけと思う内に、どんどん酒が進む。だから、アルコールの適量感がわからなくなるし、いくら飲んでも足りないと思うらしい。しかも、アルコールにたくさんお金をかけるから、食費にはあまりお金をかけられない。だからバランスのいい食事とは無縁らしいんだよね。そりゃ、体も壊しやすくなるよ。だから、入院中にいた人は、3食たべれるのはありがたいと言っていたっけ。

家族が依存症の人を病院に連れていってあげてほしい
おれが入院して驚いたのは、彼らの入院回数は1回や2回じゃないことが多いということ。多い人だと、20回、30回と入退院を繰り返している。このレベルの人たちが入院すると、アルコール依存症の患者たちからはある意味リスペクトの対象になってくる。「あっ、○○さんが入院してきた。」と、ちょっとした有名人になる。そして、本人もまんざらでもない。入院して少し有名人のような感じで歓迎される病棟となるとアルコール依存症の患者は現実の社会から逃げるように、精神病院の社会に戻ってくるようだ。
するとどうだろう。そこには、知り合いもいるし、同じ依存症の仲間だらけだし、なあなあの仲間同士で現実社会でどれだけ自分が失敗したかの話をするんだ。こうやって繰り返し入院してくる人たちはスリップしたという。でもね、やっぱり入院中の患者の中には、2度とスリップしたくない、家族に迷惑をかけたくないって強い気持ちの人もたくさんいる。アルコール依存症に関して言うと2度目の入院があるか、ないかはその人の人間性が比重を占めると思われる。
アルコール依存症の人の治療とは
アルコール依存症の治療に終わりはなく、アルコールを毎日飲まない努力をすることが治療らしい。
当然、入院期間中は病院内でアルコールは飲むことはできない。だから、退院後も、いかにアルコールを飲まない日々を過ごすかセルフコントロールを養うことが大切になるようだ。
この辺の詳しい話はまた別の機会に。
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